人と真珠の関わり合い
人と天然真珠の関係は古く、太古の時代から続いてきました。 現在はほとんどが養殖真珠となりましたが、昔は世界各地に広くその天然真珠が存在した証を見ることができます。
天然真珠とは自然に生息する貝の中から採れる真珠のことを言い、海辺や川の近くに住む人々が貝を開いたところ、その中から 美しい真珠が現れたといいます。
古代ローマの博物学者、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスの言葉で 「世界の何処にあってもまさしく至宝とたたえられるもの、それは真珠である」とあります。
世界の真珠の歴史
「天工開物」の真珠採取風景
西太后が肌身離さず身につけたいたお守りが「パール・オブ・アジア」(巨大なパール)は
有名な話です。
マナール湾の真珠採取風景 参考サイト:The history of swimming goggles
他、インドでは紀元前18世紀頃から伝わる聖典にも真珠と解釈される言葉があります。
ペルシャにおいては真珠採取の歴史は約4000年前に遡ると言われます。
広大な地中海一帯にはびこったローマ帝国では真珠が大流行しました。
14世紀には真珠熱が異常に高まり、ベニスでは花嫁以外の女性に真珠禁止令がでたそうです。
日本でも3世紀後半(弥生時代後期)の産物にふれて「真珠や青玉を産出する」としまた壱与は
魏(ぎ)の王に「白珠5000個を献上した」とあります。この白珠は真珠のことだそうです。
このように歴史をふりかえると真珠は大変貴重なものであり、且つ、大変愛されてきた宝石であることがわかります。
現代では養殖により最も日本人にとって身近な宝石となった真珠ですが、天然真珠の時代から数千年という
長い年月の中存在しつづけた宝石といえるでしょう。